糖尿病は高血糖が続く病気で、症状が乏しくても心筋梗塞・脳卒中、腎不全、失明、足の潰瘍・切断などの合併症リスクを静かに進行させます。
放置すると糖尿病ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖症候群など命に関わる緊急症も起こり得るため、治療で血糖を安定させ合併症を防ぐことが不可欠です。
現在、日本では成人の約8.1%=約1,076万人が糖尿病で、2050年には約9.6%へ上昇すると言われています。しかもIGT(糖尿病発症高リスク)は日本が14.8%と世界の12.0%より高めとされています。
つまり日本は「発症予備軍」が相対的に多く、将来糖尿病を発症する可能性が高い「未病患者」をいかにコントロールするかが大事になります。
症状がなくてもCGMで血糖値を見える化し、食事・運動・睡眠を早めに調整することが合併症・動脈硬化予防になるのです。
「体調は悪くないのに、数値だけ高い。治療は必要?」――そう感じる方は少なくありません。ですが高めの血糖や“食後だけ上がる血糖(血糖スパイク)”を放置すると、少しずつ血管と膵臓に負担がかかり、将来の糖尿病発症リスクや合併症(網膜症・腎症・神経障害)、さらには動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞など)の土台をつくってしまいます。
また、血糖スパイクはだるさ・眠気・集中力低下の原因になり、体重増加・脂肪肝・高血圧とも結びつきます。数値が「境界」だから安全、ということはありません。
早く始めるほど“軽く済む”
早期に介入するほど、膵臓の働きが保たれやすく、将来の薬剤量も少なくできる可能性が高まります。糖尿病は万病の元です。糖尿病を専門とするクリニックに頼ってみませんか。
糖尿病とひとことで言っても、その成り立ちや経過は人によって大きく違います。生活習慣が原因の方もいれば、体質的に血糖を下げる唯一のホルモン、インスリンを作る力が弱い方、あるいは肝臓や甲状腺、副腎、下垂体といった臓器の病気が背景にある方もいます。血糖の動き方も、常に高めの方、食後だけ急に上がる「血糖スパイク」が目立つ方など本当にさまざまです。一人一人の患者様のライフスタイルに合った「標準治療」を提供いたします。
また、肥満や睡眠時無呼吸症候群:SASは糖尿病と深く関わっていることが分かっています。必要に応じて、肥満治療や在宅でのSAS検査 、場合によってはCPAP治療なども組み合わせることで治療を進めて行きます。
さらに血糖が乱れると歯周病が悪化しやすくなり、その逆に歯周病が血糖を上げる要因になることも知られており、当院では歯科との連携も視野に入れ、全身の管理に役立てるようにしています。
治療の基本は「食事・運動・薬物」の三本柱。当院では薬に頼りきるのではなく、無理なく日常に取り入れられる工夫を患者さまと一緒に考え、さらに、持続血糖測定(CGM:フリースタイルリブレ)を用いて血糖の変化を“見える化”し、「通いやすく、続けやすい」治療計画を立てることで、合併症の予防と生活の質(QOL)の向上を目指しています。
どんな些細なことでも構いません、どうぞお気軽にご相談ください。
当院では、保険適用の要件を満たさない方でも、希望によりFreeStyleリブレ2を用いた血糖モニタリングを行えます(選定療養)。皮膚に小型センサーを装着し、携帯のアプリを使用して最長14日間の血糖変動を簡便に記録できます。インスリン療法が導入されている患者様は保険適応となります。

※注意事項
開封・装着後の返品はできません。皮膚トラブルの既往などがある方は事前にお知らせください。保険適用の基準を満たす方には、保険での管理をご案内します。
マンジャロ/ゼップバウンドの有効成分は チルゼパチド(tirzepatide) です。これは GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド) と GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1) の両方に作用する、世界初の「二重作動薬」として注目されています。 食事をとると、腸から分泌されるGLP-1/GIP(インクレチン)は、膵臓のインスリン分泌を助け、血糖を上げるグルカゴン分泌を抑制します。さらに、胃内容の排出をゆるやかにして食後の急激な血糖上昇を防ぎ、脳の食欲中枢に働きかけて食事摂取量を減らす効果があります。 チルゼパチドはインスリン分泌促進・食欲抑制・胃内容排出の遅延・脂肪代謝の亢進 などを通じて血糖を下げ、結果、糖尿病治療に加えて肥満治療にも効果が期待される、最新の薬物療法です。(マンジャロ®とゼップバウンド®は、いずれも同一の有効成分チルゼパチドを含む製剤です。)
診断は血液検査で行います。
午前中のテストステロン値やHbA1c・甲状腺ホルモン・PSAなどを測定します。
副作用として肝機能障害や多血症などがあるため定期的に血液検査でチェックします。
※前立腺がん・重度多血症・妊活中の方は治療適応になりません。また、未治療でコントロール不良の睡眠時無呼吸症候群の方も同様です。